六朝学術学会会長就任のご挨拶
2025年4月1日より2年間の任期で会長を仰せつかりました齋藤希史です。文字どおり非力ではございますが、これまでの学恩にいささかなりともお応えできるよう、微力を尽くす所存です。幸い、何かお力をお借りしたいと思った時に、必ずどなたかおられるのが本学会です。御助力を仰ぎながら責務を果たしていきたく存じます。
本学会は1997年4月13日に東京湯島の斯文会館にて設立されました。再来年には創立30年、人ならば而立の年を迎えます。小規模ながら存在感のある学会としてここに至るまでには、歴代会長の石川忠久先生、興膳宏先生、大上正美先生、安藤信廣先生を始め、理事・評議員・委員・幹事の方々、研究の成果を誌上や会場で共有してくださった諸氏の弛まぬ努力がありました。大会・例会、また学会報などの諸活動を着実に引き継ぐとともに、さまざまな課題について、自由に考えを述べあう機会をもちたく思います。
本学会が名称として掲げる六朝は、建康(業)を都とした王朝のみで成立するわけではなく、北朝はもとより、東は日本列島まで及ぶ諸地域・諸言語との交通に開かれた時空です。その中で、思想や宗教にかかわる講論、史書や類書の編纂、公私にわたる儀礼や饗宴が数多く催されました。時代と形態は異なりますが、私たちもまた、集いの意義を再認識しています。
本学会が、さらに稔りある学術の場となることを期して、就任の御挨拶といたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。
2025年4月13日 設立から28年の日に
六朝学術学会会長
齋藤希史