六朝学術学会

六朝学術学会報

第一集 平成11(1999)年10月 発行

【論文】
大上 正美 阮籍と情況
佐藤 利行 陸雲「南征賦」について
亀田 一邦 葛洪の服餌説における非成仙系服餌の救荒法化について
大地 武雄 陶淵明の孤独感
武井 満幹 陶淵明の隠逸
沼口 勝 陶淵明の「飲酒」の詩題の典據とその寓意について
森野 繁夫 謝霊運の山水詩

【講演】
松浦 友久 陶淵明理解のための一つのポイント―「詩的説理」



●第二集 平成13(2001)年3月 発行

【論文】
柳川 順子 陸機の「擬古詩」制作の動機について
佐藤 利行 陸雲「寒蝉賦」について
亀田 一邦 『抱朴子』仙薬篇の定命的服餌説に関する一考察
今場 正美 沈約『宋書』隠逸伝考
森野 繁夫 謝朓と謝霊運

【講演】
興膳  宏 梁元帝蕭繹の生涯と「金楼子」



第三集 平成14(2002)年3月 発行

【論文】
小嶋 明紀子 陸機から陶淵明へ
門脇 廣文 陶淵明〈桃花源記〉小考
三枝 秀子 陶淵明の詩文に見える「快楽」表現について
上田  武 鮑照とその時代の陶淵明の受容
佐藤 正光 謝朓の「奉和随王殿下」詩一六首について
下定 雅弘 柳宗元の愚渓と謝霊運の始寧

【講演】
林田 愼之助 歴史記録と志怪小説―裴松之『三国志』注引の異聞説話をめぐって


【研究報告】
稀代 麻也子 沈約研究の現在と展望
樋口 泰裕 庾信研究の現在と展望



第四集 平成15(2003)年3月 発行

【論文】
福山 泰男 曹操「十二月己亥令」をめぐって
佐竹 保子 陸機「演連珠」の構成上の特質
大立 智砂子 「山川」「山水」と水意識
樋口 泰裕 文外断絶と此上成語
富永 一登 『文選』李善注の活用
釜谷 武志 端午節と五月五日

【講演】
陳 忠/佐藤 正光訳 二十世紀の日・中・韓における陶淵明研究の概況



第五集 平成16(2004)年3月 発行

【論文】
門脇 廣文 陶淵明「桃花源記」「外人」小考―内山論文「以後」の解釈とその問題点について―
安藤 信廣 陶淵明「雑詩十二首」考―死生の相克の視点から―
魏 正申/上田 武 訳 日本の二十一世紀における陶淵明研究論評
下定 雅弘 蘭亭序をどう読むか―その死生観をめぐって―
川合  安 南朝貴族の家格


【研究ノート】
龔 斌/大立 智砂子訳 『世説新語』礼記八則

【研究資料】
堂薗 淑子、大平 幸代 魏晋南北朝四氏世系表(上)―河内温司氏・陳郡陽夏謝氏―



第六集 平成17(2005)年3月 発行

【論文】
渡邉 義浩 杜預の左伝癖と西晋の正統性
佐藤 大志 東晋期江南社会の東と西 ―『宋書』楽志の記述を巡って―
堀内 淳一 南北朝間の使節よりみた「文化」の多様性
佐藤 正光 『文選』李善注「善曰言」の解釈と五臣注、及び現代の注釈との関連―『文選』巻二十二謝霊運の詩解釈を中心に―
矢嶋 美都子 杜甫の詩に見る六朝詩人観
後藤 秋正 孟郊詩の詩語の特異性について ―六朝・唐代の「噫」の用法の検討を通して―

【講演】
吉川 忠夫 仏教と道教の間 ―六朝時代を中心に―

【研究ノート】
欧陽 伊/平井 徹訳 中国における二十世紀の陶学評論成果 ―陳忠教授の論文を検討する―

【研究資料】
堂薗 淑子、大平 幸代 魏晋南北朝四氏世系表(下)―琅邪王氏・蘭陵蕭氏―



第七集 平成18(2006)年3月 発行

【論文】
井ノ口 哲也 阮籍『通易論』初探
渡邉 義浩 嵆康の歴史的位置
戸髙 留美子 「三都賦」の「実証」 ―引用資料の傾向について―
田中 靖彦 初期東晋における孫呉観―干宝『捜神記』を中心に―
夏  広興 仏教の神通観と六朝仙道小説の創作
後藤 秋正 唐代以前の「哭人詩」
矢嶋 美都子 望郷詩のモチーフの展開―「客従遠方来」から「君自故郷来」へ―
傅  剛 南朝社会の変化と艶体詩風の形成

【講演】
安田 二郎 許嵩と『建康実録』



第八集 平成19(2007)年3月 発行

【論文】
島田  悠 八王の乱における貴族―王衍、東海王越を中心に
久保 卓哉 北朝と南朝に於ける声律の諸相―魏節閔帝・梁曹景宗と沈約の四声八病―
興膳  宏 四声八病から平仄へ
大村 和人 六朝時代の宴における「言志」―梁詩はなぜ千篇一律か
榎本 あゆち 再び『南史』の説話的要素について―蕭順之の死に関する記事を手がかりとして―
洲脇 武志 『文選』李善注所引「漢書音義」考
鈴木 敏雄 王船山の見る阮籍「詠懐詩」に於ける「量」

【講演】
佐藤  保 唐人から見た六朝



第九集 平成20(2008)年3月 発行

【論文】
高橋 康浩 韋昭『呉書』の偏向とその検討
矢田 博士 愍懐太子の東宮における詩歌創作の新たなる展開
川合 康三 陶淵明「帰去来兮辞并序」の「序」をめぐって
矢嶋 美都子 庾信の「狂花」に見る六朝人の「狂」の観念について―「身を全うする」ために機能する「狂」―
原田 直枝 六朝末の詩文に見える「桃花源」の語をめぐって

【講演】
銭 志熙/大村 和人訳 阮籍「詠懐詩」論
高橋  均 江熙「集解論語」と皇侃「論語義疏」―魏晋六朝における「論語」解釈



第十集 平成21(2009)年3月 発行

【論文】
柳川 順子 原初的「古詩」の性格―『楚辭』九歌との關わりを手がかりとして―
福原 啓郎 賈謐の二十四友をめぐる二三の問題
戸川 貴行 東晋南朝における天下観について―王畿、神州の理解をめぐって―
竹沢 英輝 『文心雕龍』總術篇と術の概念について
佐野 誠子 歳時詩と歳時記―六朝期九月九日詩の二つの傾向から
後藤 秋正 墓を詠ずる詩―南北朝末期まで―
佐竹 保子 『世説新語』の「賞」

【講演】
中村 圭爾 魏晋南北朝における公文書行政


《六朝学術学会報第十集記念特集Ⅰ》
【六朝学術研究への提言】
石川 忠久 私の「陶淵明」
興膳  宏 下流から見た六朝文学
上田  武 陶淵明の詩のテキスト史小考―提言に替え
釜谷 武志 六朝文学研究と六朝学術研究
川合 康三 こんな研究、あったらいいな
小林 正美 六朝道教史研究のパラダイム・シフト
沼口  勝 日中学術交流のよろこび
林田 愼之助 六朝文学研究への一つの提言
松岡 榮志 「前人の未だ發せざるを發す」―陳寅恪を讀む
矢嶋 美都子 『六朝学術学会報』第十集刊行の祝賀と六朝学術研究への提言
柳川 順子 六朝文学への一視角―阮籍「詠懐詩」をめぐる雑感をもとに―


《六朝学術学会報第十集記念特集Ⅱ》
・第一集~第九集 總目次



第十一集 平成22(2010)年3月 発行

【論文】
谷口  洋 漢末魏晋における賦序の盛行―文学テクストの整備と「文学の自立」
島田  悠 西晋・劉頌の「徐淮南相在郡上疏」と武帝期後半の治世
土屋  聰 上海図書館蔵『鮑氏集』十巻と孫毓修―第二の毛斧季校宋本『鮑氏集』について
竹澤 英輝 『文心雕龍』における「術」の概念と「心」について
山崎  藍 李賀「後園鑿井」考―六朝・唐代における井戸描写を通じて
佐藤 禮子 天台外典利用をめぐる考察―天台注釋書に引用された『博物志』のある一條より―

【講演】
竹田  晃 六朝志怪流行の背景を探る


【国際学術検討会報告】
佐藤 正光 二〇〇九陶淵明国際学術検討会報告



第十二集 平成23(2011)年3月 発行

【論文】
林  暁光 漢魏六朝文学における「頌」について
大村 和人 梁代における『詩経』「正雅」的世界の希求
佐野 誠子 初・盛唐期九月九日詩における陶淵明詩の影響―

【講演】
中嶋 隆蔵 柳宗元の大中思想と六朝経学
堀池 信夫 可道と常道―『老子』第一章「道可道非常道」をめぐって―



第十三集 平成24(2012)年3月 発行

【論文】
牧角 悦子 曹植における楽府の変容―「興」的表現と物語性をめぐって
大村 和人 鳥の舞―「白紵舞歌」晋古辞の文学史上の位置について
栗山 雅央 「三都賦」と中書省下の文人集団―張載注の分析を中心に
渡邉 義浩 郭象の『荘子注』と貴族制―魏晋期における玄学の展開と君主権力
和久  希 言語と沈黙を超えて―王坦之廃荘論考

【講演】
渡邊 信一郎 西涼楽の形成と展開



第十四集 平成25(2013)年3月 発行

【論文】
高橋 康浩 孔融の人物評價
横山 きのみ 皇甫謐の著作に見える世界観―『高士傳』『帝王世紀』の意義―
加藤 文彬 陶淵明「讀山海經」詩十三首考
西川 ゆみ 鮑照「蕪城賦」における廃墟


【講演】
妹尾 達彦 江南文化の系譜―建康と洛陽―(一)
戴 燕/佐藤 禮子訳 六朝文学研究の趨勢および私の見解



第十五集 平成26(2014)年3月 発行

【論文】
榎本 あゆち 劉孝標をめぐる人々―南朝政治史上の平原劉氏―
大村 和人 夫の歸宅―南北朝後期の「羅敷古辭」模擬作品について
池田 恭哉 新王朝への意識―盧思道と顔之推の「蝉篇」を素材に―

【講演】
興膳 宏 杜甫と前代の詩人たち(第百三囘日本学士院賞受賞記念講演)
妹尾 達彦 江南文化の系譜―建康と洛陽―(二)



第十六集 平成27(2015)年3月 発行

【論文】
谷口 洋 「作者」宋玉の誕生―漢魏六朝における「作者」意識
鄭 月超 「詠懷」と「言志」―なぜ阮籍詩が「詠懷」と呼ばれたのか
牧角 悦子 『文選』序文と詩の六義―賦は古詩の流―


【譯注】
大上 正美 向秀「難養生論」私譯

【講演】
野間 文史 六朝義疏學から唐『五經正義』へ



第十七集 平成28(2016)年3月 発行

【論文】
佐竹 保子 「亂流趨孤嶼、孤嶼媚中川」の修辭の系譜――同聯内における頂眞格――
渡邉 義浩 『世説新語』における人物評語の展開

【講演記録】
山田 利明 六朝道教と佛教

【書評】
稀代 麻也子 淺見洋二・高橋文治・谷口高志著『皇帝のいる文學史――中國文學概説』
佐野 誠子 富永一登著『中國古小説の展開』
福原 啓郎 川合安著『南朝貴族制研究』



第十八集 平成29(2017)年3月 発行

【論文】
柳川 順子 五言詠史詩の生成經緯
西川 ゆみ 六朝詩歌における「隴」の歌い方について
大村 和人 南朝梁「内人」詩のテーマと視點

【講演記録】
石井 仁 六朝時代の都督府とその僚佐たち

【書評】
淺見 洋二 渡邉義浩著『「古典中國」における文學と儒教』
道坂 昭廣 成田健太郎著『中國中古の書學理論』



第十九集 平成30(2018)年3月 発行

【論文】
牧角 悦子 「文」概念の成立における班固の位置―六朝文論の原點として―
長谷川 隆一 徐幹の賢人論―「名実論」を媒介として―
原田 直枝 謝靈運「撰征賦」について―述行の形式に映し出された東晉と江淮域の物語(建康・長江篇)

【書評】
井ノ口 哲也加賀榮治著『中國古典定立史』
池田 恭哉 洲脇武志著『漢書注釋書研究』



第二十集 平成31(2019)年3月 発行

【論文】
髙橋 康浩 劉劭『人物志』における「偏材」と「兼材」
佐藤 正光 謝朓の生涯における岐路と政局―「酬德賦」を中心として―
安藤 信廣 徐陵の樂府
成田 健太郎 『顏氏家訓』にみる南北朝の書藝
土屋  聰 李德林「覇朝雜集序」について―代表者の意識を中心に―

【書評】
和久  希 牧角悦子著『經國と文章――漢魏六朝文學論』
遠藤 星希 興膳宏著『中國詩文の美學』
渡邉 登紀 程千帆、徐有富(著)、 向嶋成美、大橋賢一、樋口泰裕、渡邉大(訳)『中國古典學への招待―目録學入門』



第二十一集 令和2(2020)年3月 発行

【論 文】
和久  希 張華「鷦鷯賦」とその周邊――莊子、阮籍、鳥獸賦
渡邉 義浩 『文心雕龍』の史學論
大村 和人 梁簡文帝蕭綱・三月三日「率爾」詩の「遊戲」性について
安藤 信廣 『文選』以後の詩文と『萬葉集』――山上憶良「傷心之恨」と庾信「傷心賦」
池田 恭哉 『隋書』の成立とその問題――辛彦之の沒年と明堂の議論から

【書 評】
遠藤 祐介  船山徹著『六朝隋唐仏教展開史』



第二十二集 令和3(2021)年3月 発行

【論 文】
大上 正美  謝靈運の廬陵王劉義眞體驗――哀傷にみる詩と眞實――
冨田 繪美  江淹「丹沙可學賦」考
佐竹 保子  謝朓「遊東田」末聯にかかわる二、三の問題

【書 評】
川合  安  窪添慶文著『墓誌を用いた北魏史研究』
中島 隆博  和久希著『六朝言語思想史研究』



第二十三集 令和4(2022)年3月 発行

【論 文】
青木 竜一  後漢末曹操政権における軍師祭酒と軍謀祭酒
横山 きのみ 両晋代の〈隠士の箴〉――魏晋南北朝期の箴に関する一考察――
小野 響   「禿髪樹機能の乱」再考
関 俊史   王羲之の幻影――「盡善盡美」をめぐって――
加固 理一郎 李商隠の詩歌に描かれた曹植と「洛神賦」

【書 評】
戸倉 英美  狩野雄著『香りの詩学――三国西晋詩の芳香表現――』



第二十四集 令和5(2023)年3月 発行

【論 文】
渡邉 義浩  「八陣」の伝承
田尻 健太  劉炫の学問とその書物環境

【講演記録】
大上 正美  表現する阮籍――六篇の「賦」の基点から考える

【書 評】
牧角 悦子  大上正美著『嵆康の方法―文学としての「論」』 



第二十五集 令和6(2024)年3月 発行

【第24回大会特別企画「興膳宏先生の世界を振り返る」記録】
安藤 信廣  創立二十周年記念企画の記録掲載にあたって
興膳 宏   詩人と月――六朝から唐へ
佐藤 大志  『乱世を生きる詩人たち 六朝詩人論』に学ぶ六朝文学研究の可能性と課題
渡邉 義浩  文学と儒教――『中国の文学理論』『中国文学理論の展開』を読み直す
道坂 昭廣  「創作技法論の展開――『文心雕龍』から『文鏡秘府論』へ」(『中国詩文の美学』2016年 創文社)を中心に

【論 文】
伊藤 令子  蛮の石室と洞穴の仙境との関わり――『後漢書』所収の槃瓠伝承を中心に――
潘 宗悟   孫呉の武昌都督区の分割について――軍事戦略との関係を焦点として――
板橋 暁子  東晋中期における「内」と「外」――慕容皝の遣使・書簡を手がかりに――
金  鑫   六朝・唐代文学における「雲雨」「雨絶」の意味